おじさんの悪あが記

日々の自転車ライフ・育児のことなどなど

2008 北丹沢12時間山岳耐久レース

とにかくキツいレースだった。

今回は長いレースであり、いつも最後に脚が終わるので「最後まで脚をもたせる」を目標に臨んだ。
装備側で出来るはやろうと、寒い時以外あまり履かないCW-X(セミロング)を履く。
さらにはチタンテープで足首と膝廻りをサポート。
補食は、PowerGel 7個、PowerBar 3本、脚攣り防止にアミノバイタルプロ4袋を装備。
いつも以上に多目です。長くなりそうだからね。


【スタート~第1関門 ~地獄への入口~】
スタートから第1関門まではほぼ渋滞。
トレイル上りは温存のためにも渋滞にハマっとく。いつもなら、横目にガツガツ行くところを。
第1関門手前のトレイル3km下りで、くぼうずさんに仕掛けられる。
妙に跳ばしてる。大丈夫か?と思うも、ボクはちょっと控えめ。温存ですよ。
予定では約30kmくらいにある第2関門までは我慢。
それにしても、くぼうずさん跳ばしてる。らしくない走りだ。
なので、少しペースを上げて追いつく。
追いつき抜き際に、案の定、「長ぇーっ!疲れたぁー!」と。
ここでくぼうずさんをパス。
しかし、第1関門で給水中に追いつかれる。
ここでは、水をハイドラに足し、バナナを1本食べて終了。正味5分でエイドをス
タート。
ここまでは体力・筋力共に問題ナシ。作戦通り。
(通過タイム:3時間ジャスト)

【第1関門~第2関門 ~地獄への序章~】
第1関門から第2関門までは山を1つ越える。2つ目の山越えだ。ここもまだまだ温存。
山をひたすら延々上る。
登山系上りは得意中の得意。温存させつつも、廻りよりはペース高。
心拍数を160台で保たせつつ上り、着々と順位が上がる。
上ること1時間くらいか?ようやっとピークに到着。
ひと呼吸入れて下りに入る。
下りは林道(砂利)メイン。まさに王滝を思わせる景色。
「2週間後は延々こんな所を100km走るのか~。」と思い、ちょっとナエる。
走れど走れど第2関門が出てこない。
途中、左脚親指に出来たマメが痛み出したため、シューズとソックスを脱ぎ見てみることに。
デッカイ水膨れが・・・この日のためにとお試しで履いた5本指ソックスが裏目に出たか?
とりあえず、シューズの中で擦れないようにシューズをキツ目にして対応。
この間に2人ほどに抜かれるも、すぐさま抜き返し、ようやっと第2関門に到着。
ん~長かった・・・
ちょっと暑さにやられ気味。
充分に水を貰い、再びハイドラに給水。プラスたっぷり頭から水を被る。
これから始まる800m上りに向けて。
この時はまだ、地獄が始まるとは思うこともなくね・・・

【第2関門~ゴール ~地獄から生還~】
ここから地獄の始まり始まり。
肉体的には問題ないが、暑さでちょっと気持ち悪い。が、とりあえず上り始める。
先ずは標高600mから1000mくらいにある「風巻の頭」を目指す。
脚は温存した甲斐あってまだまだ上がる。が、とにかく暑く、気分はドンドン悪くなる。
途中、同じように気分が悪くなったのか?それとも体力の限界なのか?ポツポツと脇に座り込んでる人が。
中には全く動かない人も・・・一応声かけたら返答はあったが・・・
ボクも結構ヤバ目。とにかく止まらず、何とか風巻の頭を通過。
ちょっと下って、今度は今コース最高点の姫次(1433m)を目指す。まだまだこの上り中間点。
高低表でまだまだ上るのは分かっているものの、気分も悪く、おまけに太ももも上がらなくなってきた。
「これ、ちょっとマズイぞ・・・吐きそうだし。」
とりあえず、超ゆっくりでも歩き、「ピークに着いたら、5分座って休むんだぁ~!」と言い聞かせる。
しかし、まだまだ終わらない・・・地獄です。
うずくまって動かない人に声をかける余裕もない。
吐き気はあるが、無理やりPowerGelを2個押し込む。ウゲッ!出そう・・・
太ももも何だか熱くなってきた。乳酸がドンドン溜まって行く。

「まだかい?ピークちゃん・・・おじさんはこんなに頑張ってるんだから・・・早くおいで・・・」
心の中でピークを待ち望む。

と、やっとベンチが見えた!!「やっと休めるっ!!」と思った矢先、まだ先だった・・・偽ピーク。
もうホント、泣きそう・・・吐きそう・・・土に返りたい・・・が、苦し紛れだが、ひと呼吸して歩き出す。
しばらく歩くこと数分、今度こそ、ホントのピーク。待ちに待った姫次ちゃんに到着。
ここで、念願の5分休憩。
ベンチで横になり、目を瞑る・・・意識が遠のく・・・何だがスーッと力が抜けて行く。
「もうムリだよ。よく頑張ったよお前は。もうやめちゃえよっ!!」と諦めの言葉をかける「デビル自分」。
イカン、イカン!!まだ動けるぞっ!!あと下れば終わりじゃん!!」と語りかける「エンジェル自分」も居る。
とりあえず、起き上がって、葛藤すること数秒。エンジェル自分の意見を尊重。
顔をグーで殴って現実に戻る。気持ちだけは復活。

とりあえず、残り9kmトレイル下りに入る。
5分ほど休んだ甲斐あって、少し回復。脚はまだ多少残ってるんで、走り出す。
最後に来て9km下り、これはまたイジメです。
しかし、大会主催者側に負けるわけにはいかない。めげずに下るも、いつものスピードは無い。
車で言うところの「フェード現象」とってところか?ブレーキとなる太もも筋肉が痛くて止まらん。
走りやすいトレイルではあるが、何せ正常じゃないから、ただただツライ。
脚は上がらず、大した根っこでもないのに、爪先を取られてコケそうになる。
コケそうなのを踏みとどまる度に変な力がかかり、攣りそうになる。
上りもツラかったが、最後の長い下りも泣きそうなくらいツライ。
それでも下り続けて、何とか「残り5km」の看板到着。「あと5kmで地獄が終わる・・・」
少しモチベーションも回復する。

しかし、最後の最後で爆弾が爆発!
油断したのか?残り3kmくらいの所で、右足首を捻ってしまった。
止まることが出来ずに草むらに突っ込み、そこで転倒。
捻挫再発!その場でのたうち回った。10分程もがき苦しんだかな。
痛みも落ち着き、様子見で歩き、さらには走り出してみる。
一応走れる。が、意識的に固定しないとすぐに痛むため、さらにスピードが落ちる。
数人に抜かれながら、ようやくトレイルを下り切る。
舗装を下り、もう少しって所で、またトレイル。
しかも石がゴロゴロしてる。捻挫野郎にはツラすぎる。
トレイルランの神様が与える最後の試練と言ったとこだな。
スピードはないものの、右足首き全神経を集中させて下る。
このトレイルも結構長かったが、会場のアナウンスが聞こえ、トレイルを抜けたら、見覚えのある風景に到着。
ゴールへ案内するスタッフにラストだよと言われ、最後は取れかかったゼッケンを手で広げ、ゲートを潜ってゴール。
と思いきや、計測チップのゴールはまだ先だった。
20mくらいダッシュしてホントのゴールを、AZ、いちなりさんに迎えられた。

タイム:7時間47分

ゴール後、しばらくベンチでうなだれ、会場横の川でカラダを冷やすために浸かる。
冷たい川の水が、無茶苦茶気持ち良く、10分ほど浸かって冷やした。

今回のレース、今まで経験したどのレースよりも過酷だった。
上りのキツさに加え、暑さによりキツさが増した。
途中、寒気もあり鳥肌立ちまくりで、倒れるかと思うほど。
姫次に上る途中に、「もうこのレースには出ない!!」などと思っていた。
(きっと来年も出ているんだろうが!)
おまけに、7時間47分と言う競技時間の長さも初体験だったな。

キツいと聞いていた北丹沢、予想以上に体力・精神力的に過酷なレースだった。
作戦通り第2関門まで抑えたことで完走出来た。
とにかく、順位・タイムは置いといて、完走出来て良かった。

以上