おじさんの悪あが記

日々の自転車ライフ・育児のことなどなど

2008 日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)

初参加のハセツネ、レース2週間前くらいから憂鬱だった。

7月のおんたけウルトラ100kmを経験し、あのツラさの再来かと思うと・・・
自分は長距離には向いてないのだと思うし。
30km超えるレースはちょっとしんどいのよね。長いし辛いし痛いし。

と思いながらも、出るからには、目標・どう攻略するか?じっくり考えて臨んだ。

【目標】
・サブ12
・後半に脚を残し、気持ち良くレースを終える。終盤に抜かれるのは気分悪いし。

【攻略法】
・御前山上り切りまでは脚を温存
・大岳山からの下りで温存した脚を爆発させる

【レポート】
スタートは、12時間内のプラカードに並ぶ。
が、実際スタートすると、なかなか進まない。
まあ、2500人居るのだから・・・と、あまり気にしなかった。

スタート後の舗装路、予想に反して廻りはペースが速い。
メタボなおじちゃん、どー見てもオマエ無理だろ?って言うおばちゃんとかにバンバン抜かれる。
この人達、この先71.5km大丈夫なの?ってくらい。
トレイルに入る前に、いってぃさんに追いつかれたな。
ボクのペース、遅すぎなのでしょうか?

トレイルに着くと大渋滞。
まあ、そうでしょうね~と、とりあえず並ぶ。
そんな中、やはり不届き者と言うのはどこにも居るのね。
コースを反れ、脇からショートカットするバカ者。年の頃40~50のオヤジである。
余談だが、町や駅、電車の中で、マナーの悪いヤツって、若者と思いきや、この辺りのオヤジが多い。
とりあえず、注意はしといた。大人らしくね。

渋滞はいつまで続いただろうか?
とりあえず、迷惑をかけない程度にちょっとずつ前に行かせてもらう。
こう言う時って、ちょっと遠慮しちゃうのよね。
行って良いものなのか?並ばないといけないのか?
顔色うかがいながら抜いて行った。

着々と抜かさせてもらいながら進むと、見覚えのある人が前に居る。
カズボーさんじゃないですか!ボクの方が前に並んだハズなのに?
どーやら、ボクより先にスタートしたようです。スタートで出遅れていたようだ。
一言かけて先に行かせてもらった。

今度は醍醐丸辺りで、S田奥さまが応援してるのに遭遇。
「旦那さんは?」と聞くと、「ずいぶん先に行きましたよ~」と。
「な~にぃ~っ!やっちまったなぁ~」
ずいぶんと水を開けられてしまったようだ。旦那さんは渋滞知らずで行ったのか?
とりあえず、奥さまと握手をして先を急ぐ。
(しかし、何で握手だったのだろう?)

三国峠まで延々上り、ここから第1CPの浅間峠(約23km)までは下り。
あまり飛ばしてないが、明らかに周囲よりは速い。
声をかけて抜かさせてもらったり、脇道(ズルではないです。コース内です。)から抜いて行く。
ここらで一気に数十人は抜いたんじゃないかな?

浅間峠には4時間6分で到着。予定よりも30分くらい遅い。
渋滞の影響でいきなりサブ12に黄色信号。
とは言え、ペースは上げない。後半、きっと魔物がいるだろうから。

次はコース最高峰1527mの三頭山を目指す。
当たり前だが延々上り。途中途中に下りはあるが。
高低表と実際の標高を見ながら、「あと○00m上るのかよっ!」と独り言ブツブツ言いながら上って行く。
ライトオンしたのはこの辺りからだったかな?

三頭山手前の激上り途中で、またまた知り合いに遭遇。
応援自転車ライドに来ていた、H田さんとガーコ嬢である。
H田さんにはレース前に目標タイムを告げていたため、「ちょっと遅いんじゃな~い?」と言われる。
アハハは・・・と何気なく誤魔化してスルー。自分でも分かっているだけにスルーした。
とりあえず、「頑張ります!」と伝え、ガーコ嬢には「つまんねぇ」と言い後にした。
ホントはつまらなくなかったです。ちょっとキツかっただけ。
思い付いた言葉が「つまんねぇ」だっただけよ。

さらに上って、ようやく三頭山に到着。約半分が終わった。
脚は?まだまだ大丈夫。休まず、次なる第2CP月夜見山を目指す。

三頭山から月夜身山までは下りメイン。
まだ飛ばさない。太ももへのダメージを最小限に抑えるが、そこそこのペースで下る。
今回は、諸刃の剣「よ○だ走り」は、大岳山まで封印。
急な下りは一歩一歩の歩幅を小さく、緩い下りもついついスピードアップしがちだが抑える。
とにかく太ももに負担をかけない走りを徹底する。
こんなに下りに意識を集中させたのは初めてだな。

抑えてるわりに、バンバン抜いて行けちゃう。
オレ、ひょっとして下り速いんじゃないの?と調子に乗る。

下りも終わり、舗装路に出る。
スタート後とゴール前以外に舗装路区間があったのね。知らなかった・・・
ニガテな舗装路だが、何だか調子が良く、ここでも数人抜いた。

そして、やっと月夜見に到着。
水はほぼ飲み干し、新たにに1.5リッターを貰う。
補食のゴミ整理がてら、ちょっと休憩&ストレッチ。
それと、楽しみにしていたエナジードリンクレッドブル」を一気飲み。うまいっ!
このために、ここまで頑張ったようなもの。

5分ほどで休憩終了。
エネルギーチャージOK!脚もOK!
次なるターゲット、キツイと言われる御前山を目指す。

 

月夜見をスタートし、ひらけた下りを下る。
前にはポツンポツンとライトの明かりが、ホタルのように見える。異様な風景だ。
下りはすぐに終わり、キツイと言われる御前山へアプローチ。

前を見る(上だな)と、ライトの位置でどれだけ上らされるのかがわかる。
ポラールで標高を見ながら、「あと何m、あと何m」と、カウントしながら上る。
くぼうずさんが言ってた通り、確かに超キツイ。
座り込んで一点見つめてる人も多々居たな。
同じ光景だった北丹沢がフラッシュバックされた。「あの時はホントつらかったなぁ~」と。
そんなこんなを考えながら、御前山に到着。
結構キツかったわりに、月夜見からは4.5kmしか進んでないのね。

御前山から大ダワまでは下り。
ここからは温存してきた脚を、一気に爆発させる!
つもりが、極度の睡魔に襲われる。下りながら、フラッとしてしまう始末。
これはマズイと思い、道脇の木陰に隠れ、ライトを消し、少し寝ることにした。
寝ると言っても、目を瞑って横になるだけ。ようは寝るってことか。

目を瞑りながら、他の選手の足音がスタスタと聞こえてくる。
とりあえず、5分寝てみた。一瞬意識が遠退き、危うく完全に落ちるとこだった。

寝起き早々下り出す。
フラフラはしない。ここで一気に爆発!とは行かなかったが、とりあえず、ペース上げて下る。
大ダワまでは結構あっさり行き、寝る前に抜いた人達を再び抜き返した。下りは健在です。

次なる山、大岳山へアプローチ。
ここはロックセクション。クライミング好きにはちょっとテンション上がる。
しかし周りは真っ暗。落ちないよう、頭ぶつけないよう気を付けて上って行く。
夜遅くに何やってんだ?など考えながら・・・

上り切った所が写真撮影ポイントらしく、暗闇の中からフラッシュたかれ目眩ましを喰らう。
ちょっと行ったとこで大岳山に到着。
ここでちょっと休憩と、岩に寄っ掛かり座っていると、再び睡魔が襲ってきた。
ついつい目を閉じてしまい、意識を失う・・・
フッと意識が戻ると、15分くらい経過していた。
知らないうちに寝てしまったようだ。やってもーたっ!
とりあえずロスったが、15分で済んで良かった。
しかし、おかげで頭はスッキリ、睡魔も消え失せた。

ここから先は下りメイン。残すとこ18kmってとこ。
長い下りになるため、脚を温存していた。
まずは第3CP御岳山を目指す。

脚は十分残っている。今度こそ爆走です。
左脚親指にできたマメが痛むくらいで、筋肉、関節ともにOK。
一気に下って行くと、下りなのに歩いちゃってる人が多々居る。
脚が終わっちゃった人、痛めちゃった人、辛そうに歩いてる。
中には、御岳山でリタイヤするってのも聞こえたな。
後半に脚を温存して正解だった。
そうこうしてるうちに御岳山CPに到着。結構あっさり着いた。

御岳山では楽しみにしていた「おにぎり」を食べるつもりだったが、結構調子が良かったからそのまま通過。
御岳山神社の鳥居くぐり、観光商店街を通過。
自販機近くにスタッフが何気なく居る。やはり、自販機は使用させないつもりだな。
観光商店街を抜け、日の出山へ向けトレイルに入って行く。

トレイルに入ってしばらく、突然ヘッドライトが消える。電池が切れた模様。
ちょっとの間、そのまま走ってみたが、ハンドライトだけではちょっと暗い。
渋々、リュックを下ろし、電池交換をする。この間に3人くらいに抜かれる。
交換後、抜かれた分を取り戻すため、再び爆走する。
早々に抜き返し、日の出山への上りに入る。今コース最後の上りだ。

日の出山へは階段が多かった(だったよね?)。
この上りで、ようやくおにぎりタイム。食べながら上る。
このおにぎり、AZが前日作った物。具は「明太子」か「梅干」と勝手に思って楽しみにしていた。
が、かぶりついてみると、中身は予想もしない「おかか」であった・・・ガックリ・・・
勝手な思い込みだったが、この極限状態で期待に反して「おかか」とは・・・
と、独り言を ブツブツ言いながらも完食し、日の出山あづま屋に到着。
ベンチでうな垂れてる人も数人居るが、そのまま通過。

残りは約11km。あとは下りだけ。
脚は俄然調子良く、ここから13時間内ゴールを意識して下って行く。
しかし、ここで心配してたことが・・・水が切れる。
下りとは言え、結構喉が枯れるため、不安にかられる。

しばらく下って行くと、念願の沢の音が聞こえる。
コースの脇、5m程降りた所に水を汲める箇所を発見。
不安を抱えた状態で下るよりも、解消させておいた方が良いと判断し、水を汲みに行く。
水を汲んでる最中に、またもや数人に抜かれるが気にしない。
ボトルで1杯飲み、ハイドラパックに1杯入れる。ホッとひと安心だな。

安心したところで、爆走ギヤにチェンジして下って行く。
給水中に抜かれた人を、次から次へと抜き返して行く。
自分でもビックリするくらい、脚が順調。
今までのレースでは、下りとは言え、後半は失速してたのに・・・温存の効果?強くなった?
脚が順調なことと、もう少しで寝れると思うと、テンションが上がる。

金毘羅山を過ぎたくらいのところで、同じく爆走してる人に追いつかれる。
追いついたところで、先に行くかと思いきや、後ろにピッタリついている。
とりあえず、気にせず下って行くと、やっとトレイルが終了。
砂利道&簡易舗装路に入り、町も近くなってきた。
が、勾配が非常に急である。この後に及んで、この斜度は膝にくる。
後ろに居る人に、「13時間イケますね~。あと少しでゴールだから頑張りましょうっ!!」と言われる。
その言葉を最後に、ボクを置いて爆走して下って行った。

そしてついに街中に到着。
スタッフの人の「あと500mでゴールだよ」と言われ、「マジっすか?」と聞き返す。
今までのトレイルレースでは、トレイルが終わった後、大体舗装路が数km続く。
ここで、いつもはテンション下がるのだが、500mと聞いてさらにテンション上がる。

カッコ良くゴールしようと、身だしなみを確認。
途中から防寒で使ってた、カーフカバーを下ろし、自分の中で「トレランの正装」になる。
(タイツ系は無い方がカッコイイ!)
最後の曲がり角を経て、ゴールが見えた。
前後は居ないが、スピードを上げてスパート気味でゴールへ向かう。

沿道のたくさんの人に迎えられ、ついにゴール!!
13時間の長い長い旅がやっと終わった。

【結果】
タイム:12時間56分21秒
順位:344位/2000人くらい?

目標に挙げてた、
・サブ12 → 56分足らず未達成
・後半に脚を残し気持ち良くレースを終える → タレずに気持ち良くゴールでき達成。

【感想】
まず「ツラかったか?」と聞かれると、ツラくなかった。
途中キツく思うこともあったが、ほぼトレイルだったせいか、飽きることもなく、純粋に楽しいトレイルだった。
おんたけ100kmを経験し、それ以上にキツイと聞かされていたが、実際のところは、おんたけよりも楽だった。
淡々としていないコースなだけに、充分楽しめたな。
ボクにあったコースって感じだ。

何より、第1・第2・第3CP・ゴールと、順位を上げて行くことが出来たのが良かった。
まあ何はともあれ、怪我も故障もなくレースを終えられて良かった。

今回走ってみて、来年の見通しを立ててみる。

このまま走ってれば、サブ12は行ける。
スタートの渋滞や、途中寝なければなおさら。サブ11も行けるかも?
超距離だが、おんたけ100kmと違い、ほとんどトレイルなのが、自分に合ってると思うしね。
自称「マウンテンバイカー」だが、人に言わすと「オールラウンダー」とのこと。
確かに、今年はトレイル走りまくった甲斐あって、トレランも劇的に強くなったしね。
「オールラウンダー」、なかなか良い響きだな。

オールラウンダーとしては、マウイでもオールラウンダーらしい結果を残さないとね。
スイムがヤバイが・・・

以上、レポート終了。